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重点解説! 中国企業所得税法実施条例 執筆者 : わかる税務教室

今回は、損金算入費用、固定資産償却関係、ハイテク関係の3項目につき解説します。

①損金算入費用

損金に算入できる費用として、合理的な範囲での実額支給給与とあり、外資系企業にとっての変更はないものの、内資企業にはこれまで1人あたり月額1600元と損金控除限度額があったため、内資企業にとって不平等な条項となっていたものを是正したものです。

福利費支出、労働組合費用、職員教育経費の損金算入限度額として、それぞれ14%、2%、2・5%と規定されました。企業の経営活動に関連のある交際費は、実際発生額の60%を損金算入限度額としています。ただし年間売上高の0・5%を超過する部分においては、全額損金不算入と規定されました。また、広告宣伝費は、年間売上高の15%を限度として損金算入を認め、控除限度超過額は翌期に繰り越すことができます。

新条例の49条では「企業間で支払う管理費用、企業内部の部門間の支払リース料、特許権使用料、および非銀行企業内の部門間の支払利息は、損金控除することができない」という規定がみられます。これにより、関連企業間のみならず、第三者企業間での管理費の付替えに関しても損金不算入となります。グループ内で提供される管理性行為に対しては、少なくとも個々の会社に対するサービスの提供であることが損金算入の前提となります。イントラグループサービスなど、複数の海外子会社に統一基準で割り振られる本社割掛け費用の損金性は、いまだ微妙です。

②固定資産償却関連

固定資産の償却は、これまでの標準償却年数(建物20年、機械設備10年、器具工具5年)に、新たに車両等4年、電子設備3年が加わりました。技術の進歩、製品の更新により、モデルチェンジが比較的速い固定資産、および通年にわたり強震度、高腐蝕状態にある固定資産は、償却年数の短縮(標準償却年数の最大60%まで)、あるいは通常の2倍償却である「二倍定率法」または「級数法」を選択することができます。

また、残存価額はこれまで、取得価額の10%でしたが、企業の任意で決定できるようになりました。日本でも平成19年度税制改正で、固定資産は備忘価額(1円)まで償却できるようになり、08年からは中国でも1元まで償却することができるようになりました。

③ハイテク優遇関連

内国企業における技術譲渡所得の年間500万元以下の部分を免税、また500万元超の部分に半減税率が適用されます。また、新技術、新製品、新製造ノウハウに関係する研究開発費のうち、実額の50%部分を割増償却することができます。

本法第28条に規定される『国家が重点的に支持するハイテク企業に適用される15%優遇税率』の適用対象企業の範囲については、今回の新条例では明らかにされていません。草案段階では形式基準としてハイテク製品売上比率(60%以上)、大専以上の従業員数(30%以上)、研究開発費用の対年間売上高比率(2%>売上2億元以上>から6%>売上5000万元以下>以上)などがいわれていたものの、当該条件が内資企業も含めて極めて厳しいものであったことから、条件の緩和が期待されるところです。

条件のひとつとして、中国への実質的な技術移転を求められることが想定され、製品自体にハイテク性があるものの、技術は日本からの使用権の提供による加工製造形態の法人に対して税率優遇が与えられる可能性は低いといえます。優遇適用を志向するのであれば、研究開発機能の中国への移管と、中国での技術の登録を検討する必要があります。

鈴木康伸 公認会計士
Yasunobu SUZUKI

NERA Inc. 中国総代表
www.nerachina.com


Concierge上海 2008年3月号掲載

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