Sick Leave(傷病休暇)とSickness Allowance(傷病手当)という、非常によく似た、しかし本質的には異なるふたつの制度について、第2回目の解説になります。今号ではSickness Allowance(傷病手当)に関する正しい認識と実態についてご説明いたします。
■法定の「休業補償」であるSickness Allowance(傷病手当)Sick Leave(傷病休暇)が法定ではなく、企業個々の任意規定であることを前号でご説明させていただきました。すると早速「これまで証明書を提出されたら、どんなことがあっても休暇として認めなくてはならないと思っていた」「雇用契約書と就業規則を見直し、内容を確認した」という反響を頂戴しました(なかには「証明書の提出を義務付けたら途端に休む者が減りました」という笑えないものもありましたが)。
一方のSickness Allowance(傷病手当)はというと、こちらは雇用条例第33条に定められている法定の休業補償になります。内容の概略をクリアにすると、
・入社1年目は勤続1ヶ月ごとに2日、以降は4日ずつ権利が発生
・累計120日が上限
・連続4日以上休業することを登録医(Registered Doctor)または登録歯科医(Registered Dentist)がCertificate(医師の治療・休業証明)により証明した場合に適用
・月給制の場合、月例賃金の5分の4を補償となっています。ポイントは、
・限りなく補償が受けられるわけではない
・連続4日以上が条件
・賃金は5分の4が補償される
ことにあります。ちょっとカゼをひいたので午前中病院に行ってきます、とか親不知が痛いので抜いてきます、などの「ちょっとした」欠勤時に適用されるものでもありませんし、期限なく適用されるものでもありません。ちょっと考えてみてください。「4日以上」と医師が診断する傷病ってけっこうな大病か大ケガだと思いませんか?
■ 混同・トラブルを避けるために非常に名称が似ているために混同されやすいふたつの制度ですが、これで本質的にまったく異なるものであることがご理解いただけたかと思います。問題は混同を避け、トラブルをどう防ぐかになります。
(1) 用語の統一
現在使用されている雇用契約書や就業規則、これらに類するものにおいて、傷病時の休業についてどのように規定されているか確認されることをお勧めします。その際、Sick Leave(傷病休暇)とSickness Allowance(傷病手当)の内容がキチンと定められているか、ごっちゃになっていないかを見極め、用語の統一を図ったほうがいいでしょう。
(2) 適用条件と申請ルールの決定
非常にトラブルを招きやすい制度ですので、証明書提出の徹底、申請手順の厳格化をいま一度徹底されることをお勧めします。欠勤するときの手順まで決めておいてもよいのではないでしょうか。
(3) ルールの浸透
見直した上で、改訂されたルールは社内でしっかりと理解してもらえるよう回覧の上、承諾サインをもらうなどの行為も必要になると思われます。
※Concierge香港2002年3月号掲載
http://www.chainavi.jp/0khyhu0f2nyy2c50u1283505726556.trak